バーやガールズバー、スナック、居酒屋などの深夜にお酒を提供して営業するお店は、
深夜0時以降の営業を始める10日前までに、
所轄の警察署を通じて都道府県公安委員会に深夜営業の届出が必要です。
(「深夜における酒類提供飲食店営業 営業開始届」)
ところが、この深夜営業の届出をする際には、
どの警察署でも保健所が発行した「飲食店営業」の営業許可書の添付を求められることになります。
「保健所から営業許可を受けていることが前提になるから」というのがその理由です。
そして、保健所に営業許可書が発行してもらうには、許可に必要な設備を整えて、保健所の担当者の検査にクリアしてからおよそ一週間程度かかります。
これはやむを得ないことで、むしろ、ほかの営業許可に比べるととんでもない早さなのですが、
例えば居抜きの店舗などで、すでにいつでも営業できる状態だというのに、
「一週間もただ待っていなければならないなんて耐えられない!」
という場合もあるかと思います。
まして、深夜の営業を開始できるのは、
許可書が発行されて、
警察に届出をして、
そこからさらに10日後、ということになってしまいます。
ということは、何やかやで3週間近く経ってしまうという計算になります。
もちろん、保健所の許可が出ていれば24時までは営業ができますが、バーやスナックは深夜がコアタイム。
一日も早く、深夜にお酒を提供して営業したいのが本音ですよね。
そんなときは、所轄の警察署に、
「『許可の証明書』で届出できませんか?」
と聞いてみましょう。
飲食店の営業許可については、検査の結果、必要な設備が整っていると判断されれば、許可書の交付日の前に、許可自体は下りています。
許可書は手元にまだないけれど、法律上は許可が下りていて、営業を開始することが出来る、という時期が一定期間存在することになります。
その間(許可書が手元にない間)に、「許可書はないけど許可は下りている」ということを証明してくれる書類があります。
それが、「営業許可の証明書」です。
許可自体がおりていれば、保健所の窓口で発行してくれます。
東京都では、検査の当日または翌営業日付で許可になることが多いです。
なので、もしもこの「証明書」で深夜営業の届出をすることが出来れば
一週間ほど早く届出をすることができ、その分早く深夜の営業を始めることが出来ることになります。
こんなメリットたくさんの「許可の証明書」での届出ですが、デメリットもないわけではありません。
一つは、証明書の発行に手数料がかかること(300円程度)。
そして二つ目は、保健所や警察窓口に何度も足を運ぶことになってしまうということです。
通常、保健所の検査の後は、交付予定日に許可書を受け取りに行けばよいのですが、
証明書を使う場合は許可書の交付の前に一度保健所窓口に出向く必要があります。
この証明書を発行したからと言って許可書を受け取らなくてよい、ということではありませんので、許可書は許可書で受け取りに行く必要があります。
また、警察署が証明書で届出を受理してくれたとしても、許可書が出来たら、許可書のコピーを追加で届け出るように言われることがあります。
一旦証明書で受理はするけど、あとでちゃんと許可書も見せてね、ということです。
こうなると、届出を済ませた後にもう一度警察に出向いて、許可書を提出しなければなりません。
営業が始まってしまうと何かと忙しく、保健所や警察へ何度も出向くのは大変です。
そういったことを考えると、許可書の交付を待っている間に深夜営業の書類を整えるなど、時間をうまく使って、最初から許可書を添付して一度で届出を済ませてしまう方が、かえって早い、ラク、ということもあるかもしれません。
そもそも管轄の警察署がそういった方法で受理してくれるか、
管轄の保健所が何日で証明書を出してくれるかもわかりませんので、
いずれにせよ事前に確認しておくのがよいと思います。
急いでいると伝えると、急ぎで許可書を作ってくれることもあるようです。
(保健所のそのときの込み具合や状況によるようなので、絶対ではありません)
お急ぎの場合は、それらもろもろ踏まえて検討してみてください。
悩まれた際は是非一度ご相談ください。
ご連絡お待ちしております。