飲食店の場合、最初は個人で始めて、軌道に乗ってきた
タイミングで法人化する、というのはよく聞くお話です。
ある程度以上の利益があると法人の方が税率が低かったり、
経費に算入できる幅が大きくなったり、
さらには消費税の免税期間を延ばすことが出来たり、
節税効果がある、というのはよく聞くお話です。
しかし、法人化すると社会保険(健康保険・厚生年金)の
加入が義務になるので、その分固定費は増えてしまいます。
飲食店は一人で切り盛りしているお店や
家族経営(同居の家族だけで回している)が多いうえ、
個人事業であれば従業員を5人以上雇っていても
社会保険の適用が義務ではないため、
あまり社保に加入している事業者さんは多くないと思います。
(事業主や家族従業員はそもそも加入できない)
しかし、法人にしてしまうと、社保に加入しないと
いけなくなります。
たとえ事業主=社長が一人で営業していて、
従業員は一人も雇っていないとしても、自分=社長を
社会保険に加入させなければいけません。
会社が半分負担して、社長個人の給料からも天引きなので、
社長としては、なんか二重に取られている気が‥
もともと従業員を雇って経営していた場合は、
社会保険の負担だけでも相当の金額になりそうです。
社保の手続きや、毎月の処理をするには、新たに
社会保険労務士さんをお願いする必要もでて来るかもしれません。
もちろん、逆に言うと、個人事業主のままだと永遠に
社保に加入できないので、法人化して社長になることで、
より保証が厚いといわれる社保に加入できるようになる、
とも言えます。
組織化などの明確な法人化の目的がある場合はともかく、
節税などの目的で(特に一人社長で)法人化する場合は、
節税効果と同時に、経費や固定費がどう変わるか、その辺も
あわせて考えたいですね。